突然、右足親指の付け根に強い痛みを感じ、歩けなくなってしまった中年の男性が駆け込んで来ました。
親指付け根は赤く熱を持って腫れ上がり、しばらく動けないだろうなぁ…と率直に思わせる状態です。
風が吹いただけでも痛むという「痛風」の症状です。
ご本人には数ヶ月前から、右足の親指付け根周辺にモゾモゾとした違和感があり、足首や膝の痛みがありました。さらに股関節にも、痛みに似た異常を感じていました。仕事に支障が無かったので気に留めず、激務に励み、気が付くと地面に足を着けないことになっていました。
最近は仕事のストレスから飲酒の量が増え、つまみや食事の量も増えてしまい、この三ヶ月で体重が10キロほど増えていました。
季節柄、生しらすやマグロの刺身など好んで食べており、お酒はビールで始まり、日本酒・ウイスキーで終わるという酒豪さんです。
また運動はほとんどせず、食べたら寝るという生活が続いていました。
痛風は栄養過多と太りすぎが原因とされていますが、肝臓の解毒作用が追いつかず、尿や便からの「尿酸」の排出が追いつかない状態です。
胸椎と腰椎への刺激を施し、肝臓の活性化と腎臓の排泄能力を高める施術を進めていきます。並行してアルコールの取り過ぎを改善し、水分摂取量を可能な限り多くして、排泄作用を高めていくことが重要です。
ご本人と話し合いながら「運動メニュー」を作成し、余分に着けた体重をそぎ落としていく意義と目標を身体に刻んでもらいます。
身体からの痛みの信号を感じたら、まずそれを見逃さず、自身の日常生活をを省みる余裕を身に付けたいものです。これが習慣となれば、歩くことが出来ぬほどの大事には至らず、事前に病気を回避できます。
食事は満腹感を求めるのではなく「味がしなくなったらそれ以上食べない」お酒も「酔わなくなったらそこで止める」ということを、少しずつ実践してみましょう!