自分のマイナス面

Nさんは幼い時から「あなたの性格の悪いところはこういうところ、考え方の欠点はこんなところ…ぜんぶ直しなさい!」などと、母親から細かく言われながら育ちました。

母親の「価値観」から見た、性格の善悪や行動の良し悪しを、事あるごとに指摘され、厳格に型にはめられる様に育てられました。

大人に成長し独立してからも、自分の「短所」を探しながら改善していく事が、生き方の中に染み付いていました。

 

「自分のここを直せば良くなる…ここを変えればもっと出来るようになる」

 

Nさんは現在教員として活躍されていますが、自分を律し、行動を正すことを常として、自分に厳しく、他人に優しいタイプの方です。

自分の欠点だと思えるものを「異常」と捉え、その「異常」を探し、追い続けることが、自分を向上させる唯一の方法であり、無意識に「異常」だけ追い求めていく姿勢が伺えました。

 

人間の内面には、美しいものや醜いもの、優しい心もあれば意地悪な心もあります。プラス面もマイナス面も共存し、考え出すと次々と脳裏に浮かび、度を越えると「自己否定」に陥ってしまいます。

 

「見る角度を変えたり、他人の眼から見れば、人間の長所は短所にもなり、 短所は長所にもなり得ます」

 

私という「人間」は、こんな考え方を持ったり、こんな行動を取る「癖」があるんだという、自己へ性格や方向性に理解を持ち、自分を受け入れてみてはどうでしょうか。

 

今までのように「異常」ばかりを追うではなく、良いところ「正常」を追いかけてみると、自分にとって掛け替えのない、大切なものが見えてきます。

自分の愛しいところや可愛いところが自分で分かってきます。

「正常」を追いかけ、自身を認めることができると「否定的なもの」が姿を消していきます。

 

どうぞ童心を動かして、考え込まず、無垢の自分を観ていく……一休みしてみましょう!