中心を観る

「どんな家具や荷物でも、中心が分かれば、簡単に運べます。重い物でも、 中心さえ見えれば、余分な力を使わずに動かせます…。」

 

小柄な引越し屋のAさんは、想像を超える重い物でも一人で運んでしまいます。この道で何十年と培ってきた「勘」が、中心を瞬時に捉えている様に見えます。

 

しかし、中心を捉えることに長けても、動かす人の「腰」が決まっていなければ、大きな家具は運ぶことが出来ません。

 

日本舞踊の踊りやクラシックダンス、お茶の作法や書道の書初めでも「腰」が決まり、腰を中心に動いている人の芸は、自然で美しい。

 

勝負の世界でも戦う以前に、相手の坐り方や立ち方・呼吸の深さ・腰の坐り等を観ただけで、その実力は判ってしまうものです。

 

 からだの「中心」が定まり、充実していることが大切なのです。

 

迷いがあり、なかなか前に進めず、躊躇ばかりが日常となっている人も、中心が空洞であると決断や行動が伴いません。

 

ものごとの中心を捉え、自分の中心を決め、中心から行動してみる。

そういう意識を高めてみると、新たな自分を発見できるかも知れませんよ……!