欝やノイローゼといわれるものは、欲求不満や自己否定などの心理的な精神現象から、心や感受性に歪みが生じた状態であると思います。
からだを観察していくと首と胴体の付け根の部分から下の背骨に動きがなくなり、硬直していることが分かります。具体的には胸椎の1番から5番の間に常に緊張が走り、可動性が無くなっています。
骨盤も絶えず緊張してしまい、ギュッと締まる状態が続き、これは頭の緊張が解けず、いつも何かを考え続けていたり、物事に捉われていることに違いありません。また仙骨周辺にも特徴的な変化が現われます。
特徴としてマッサージを受けたり、ストレッチやヨガなどで背骨を弛めようとしても、すぐに元に戻ってしまいます。
マラソンやトライアスロンが完走できる方が大量に汗をかき、ストレス発散して柔軟になったつもりでも、背骨が弛んできません。
温泉に浸かって「ほんのり」したかのようでも、やはり弛むことは難しいようです。
このような場合、患者さん個人の心理的な鬱散の仕方や、何らか進むべき取るべき方途を模索し「快」な処を探ることから着手します。
そして施術的には背骨胸椎の5番から上が弛むような誘導を施し、硬く引き締まった骨盤も、柔軟性とゆとりを取り戻せるようにもっていきます。
回復時間に長い短いの個人差はあるものの、続けていくことで良い結果が得られるものです。
背骨が閊えているという「自覚」が生まれると回復が始まりますから、眼を静かに背骨に向けていくという作業をしてみましょう……。