スポーツの練習に[努力」という二文字は、不可欠で大切なことであるとは、誰もが認識するところです。
特に高い成績を望む場合、自ずから努力を重ね、精進していく重要性を強調し、その努力を「強いる」保護者や指導者も目にします。
しかし「努力」や「頑張り」だけで築いたものには、限界があることを知るべきです。
目的の為だけに、同じ動作を繰り返し、絶えず動かして使うことで成長させた筋肉は、偏った疲労を起こしやすく、伸び縮みの幅が狭くなり、委縮しやすくなります。
勿論、運動後のアフターケアーはしているのでしょうが、努力だけで動かしている人の筋肉は、触ればすぐに判ります。
なぜなら、努力で作られた筋肉は、硬張っているからです。
指導的立場にいる人は「努力」や「頑張り」にまさる良い方法や、からだの使い方に気を配るべきです。
人間は「興味」さえ持てるようになれば、やめられないし、眠ろうとしても目が冴えて眠れなくなります。集中することが苦でなくなり、何時間でも続けられ、疲れを感じません。
興味をもって取り組めさえすれば、気張りや頑張りの「力」ではなく、自然体による柔軟な心身が築かれていきます。
努力で作った筋肉と、興味をもって取り組んだ結果の筋肉との差は、歴然と現われてくることでしょう……。