ダンスレッスンで思うように足が上がらず、最近少し太って、お腹に脂肪がついたせいだと思い込んでいた、Aさんがいます。
体調不良など感じていませんでしたが、からだに触れると筋肉が極度に緊張し、背骨の一部が捻れ、腰も背中も限界に近いところでした。
「こんな状態では、足が上がるどころか、踊れないでしょう……。」
ゆっくりと話を進めていくと、職場で受ける人間関係の「憤り」がありました。彼女としては毎日の事なので、頭では気持ちの整理が着いたつもりでいましたが、正直なからだの方は違っています。
あれこれと考えすぎ、自分の作り出した雑念や想念に捉われてしまうと、からだの強張りが進んでしまいます。
緊張を痛みとして自覚できる内は良いのですが、感覚を鈍らせ、自覚ができなくなると、大病を引き込むことがあります。
頭をカラッポにして、楽な気持ちにするために「正座」を薦めています。
正座すると足が痺れ、スタイルが悪くなるからと避けている人達も多いようですが、正しい正座をすると、からだが変化してきます。
腰と腹が中心となるような意識で、肩や背中を弛め、腰を前に反るように、臍が前に軽く突き出るような趣きで、坐ってみます。
力みが抜け、腰を感じてくると、重心が下に落ち、深く息を吸えるようになります。
深い呼吸が出来るようになると、頭が落ち着き、おおらかな気持ちが働きだし、自分の進むべき方向や解決策など、フッと浮かぶようになります。
昔で云う「腰抜け」という状態は、文字通り腰が無く、判断や決断が容易にできない状態になっているという事を、表現しています。
正座で気持ちを静め「腰を入れ」獏とした自信と自分自身を取り戻しましょう……!