泳ぐ基本は、腕のかきやキックの仕方ではなく、水に浮くことです。
腰や尻、下半身が沈まぬことです。
昔、泳ぎを知らぬ禅の大家が河に投げ込まれも、見事に浮いて、命を落とさなかったという逸話があります。
命の危機を目前にしても緊張せず、筋肉や心を委縮せずに、ただ水に身を任せたという「境地」を体現した話だと思います。
からだを使う基本を考えると「中心の力」を使えることです。
包丁を握っている時、首が緊張していてはうまく包丁は引けません。
はさみを使っている時、肩が緊張していては真っ直ぐ切れません。
首も肩も頭も緊張させず、下腹に息を入れて「肚」を意識する。
筋肉の「力み」を消すと無意識に重心が下がります。
動作を起こす前に、重心が下がる感覚を持つことです……。
新しい企画や物事に取り組もうとしている彼方、からだの重心はどこにありますか?