腰痛でお悩みのNさん(男性:40代)は夜、布団に入ると突然咳き込むようになりました。
日に日に咳が酷くなり、夜中じゅう続き、2~1時間毎には目が覚め、睡眠不足になりました。毎晩の激しい咳のため、腹筋が筋肉痛だと仰います。
三日間を過ぎても咳が止まらないので、内科で診てもらうと、普通の「風邪」と診断されました。
身体を診ると背骨の胸椎三番と四番がくっ付いて動きがありません。
咳は背骨を緩めようとする、からだに備わるひとつの防衛機能です。
Nさんの症状は、激しく咳き込むのは夜中だけで、日中は殆ど咳が出ず、不思議と痰も出ません。
激しい咳は二週間続き、ようやく落ち着きました。
背骨に動きがなくなる原因のひとつに、感情の働きがあります。
Nさんは職場で人間関係のトラブルを抱えており、二ヶ月もの間、自分をひたすら押し殺し、爆発しそうな感情を抑え続けていました。理不尽に対し、無言でひたすら耐えて、忍んでいたそうです。
「言いたい事をしっかりと伝えて表現していない」
Nさんが気付いた事は、ご本人の気の弱さとやさしい人柄も手伝って、泣き寝入りの形を取り、相手に対して、自分を表現する事をしなかったことです。不満と憤りのエネルギーが、からだの奥底に停滞している事に、お気づきになりました。
咳の原因は、実はそんなところにもあります。
忍耐も度が過ぎると、からだを痛め壊すことになります。
自分の本音を言葉に乗せ、言いたい事を堂々と表現する……心当たりのある方、きっといらっしゃいますね?